囲碁ウォーズというスマホアプリがあった。
将棋ウォーズを知っている人なら、名前だけは聞いたことがあるかもしれない。

世界トップレベルの囲碁AI「棋神」を搭載し、
世界中の人と対局できるアプリだった。

だが、そのサービスは長くは続かなかった。

囲碁ウォーズは2017年12月にスタートし、
2021年7月20日に終了。
約3年7か月で幕を閉じた。


囲碁が難しいと言われる理由

囲碁人口が減っていると言われる。
その理由のひとつとしてよく挙げられるのが、「ルールの分かりにくさ」だ。

生き死にの判断。
定石や手筋。
ひとつのミスが取り返しのつかない不利につながる感覚。

さらに、19路盤という広さ。
どこに打ってもいいという自由さ。
まるでオープンワールドのように可能性が広がっているのに、それが逆に難しく感じられる。

だが、奥深さで言えば将棋も同じだ。
定跡があり、手筋があり、詰みまでの道のりも簡単ではない。

そう考えると、「囲碁だけが特別に難しい」というより、
囲碁の普及活動が十分に機能していない可能性もある。

韓国では、人口の約20%(約883万人)が囲碁を打てるという話もある。
一方、日本では約120万人と言われている。

もっとも、将棋人口も約460万人で減少傾向にあるため、
囲碁だけが特別に衰退しているとも言い切れない。


囲碁ウォーズの終了

2021年7月20日、囲碁ウォーズはサービスを終了した。

将棋ウォーズが現在も盛り上がりを見せているのを見ると、
どうしても比較してしまう。

なぜ終了したのか、正確な理由は分からない。
だが、ひとつ思うのは「段位認定」の存在だ。

将棋ウォーズは比較的早い段階で段位認定が可能になり、
アプリ内の実績が現実の肩書きに近づいた。

一方、囲碁ウォーズは段位認定が長らく実装されなかった。

もし、早い段階で段位制度が整っていれば、
将棋ウォーズのユーザーを囲碁側へ取り込む動きも作れたのではないか。
そんなことを今さらながら考えてしまう。


接続数の差

現在のアプリ状況を見ると、その差はさらに明確だ。

平日にアプリを開いたとき、

  • 将棋ウォーズ:約5,000人接続
  • 囲碁クエスト:約500人接続

およそ10倍の差がある。

単純に考えれば、
ユーザー数が10分の1であれば、
課金や広告収益も比例して少なくなる可能性が高い。

囲碁ウォーズの「棋神」に課金する人が十分にいなければ、
運営の継続は難しかったのかもしれない。

ただ、素人目線ではこうも思う。

囲碁人口が少ないことは、
アプリを作る段階で分かっていたはずではないか。

それでも挑戦した理由は何だったのか。
そして、3年7か月という期間は、短かったのか、妥当だったのか。


個人的な感情として

囲碁ウォーズの終了は、
囲碁そのものの縮小を象徴しているようで、少し寂しさが残る。

だが、人口減少は囲碁だけの問題ではない。
将棋も減っている。
娯楽の選択肢が増えた時代の流れとも言える。

それでも、
あのアプリが続いていた世界を、少しだけ想像してしまう。

囲碁が衰退しているのか、
それとも形を変えている途中なのか。

答えはまだ分からない。

これは結論ではなく、
いま感じていることの記録として残しておく。